このチェックリストの使い方

各項目には優先度(P0〜P2)を付けています。P0は「未対応なら即対応すべき項目」、P1は「対応することでCTRや順位に明確な改善が見込める項目」、P2は「長期的な競争力に関わる項目」です。

すべてを一度に対応する必要はありません。まずP0から確認し、できるものから順に改善していくのが現実的です。

1. 構造化データ(Schema.org)

構造化データは、検索結果でのリッチリザルト表示に直結します。価格・在庫・レビューが表示されるかどうかで、CTR(クリック率)に大きな差が生まれます。

P0 Product構造化データの実装

優先度:最高

商品ページにschema.org/ProductのJSON-LDが設定されているか確認してください。必須プロパティはnameimageofferspricepriceCurrencyavailability)です。

priceには数値のみを記載し、通貨記号(¥や$)は含めません。在庫状態はInStock/OutOfStockを動的に切り替える仕組みが必要です。

確認方法

  1. Googleのリッチリザルトテストに商品ページURLを入力
  2. 「Product」が検出され、エラーが0件であることを確認
  3. PagePulseの「Structure」カテゴリでも自動チェック可能

P1 パンくずリストの構造化データ

優先度:高

パンくずリスト(BreadcrumbList)の構造化データを実装すると、検索結果にカテゴリ階層が表示されます。ECサイトでは「トップ > カテゴリ > サブカテゴリ > 商品」の階層をGoogleに正確に伝えることで、サイト構造の理解を助けます。

実装例

  1. HTMLのパンくずリストに対応するJSON-LDを<head>に追加
  2. 各階層のitemnameを正確に記述
  3. 最後の要素(現在のページ)にはitem(URL)を省略可

P1 FAQページ構造化データ

優先度:高

「よくある質問」ページや商品ページ内のFAQセクションにFAQPage構造化データを追加すると、検索結果にアコーディオン形式で質問と回答が表示される可能性があります。

「送料はいくら?」「返品できる?」といった購買直前の疑問に検索結果上で答えることで、サイトへの信頼感とクリック率が向上します。

2. URL正規化とクロール効率

ECサイトは商品バリエーション、絞り込み検索、並び替えなどでURL数が膨大になりやすい構造です。放置するとGoogleのクロール予算を浪費し、重要なページのインデックスが遅れます。

P0 canonicalタグの正確な設定

優先度:最高

全商品ページにrel="canonical"が設定されているか、そしてそのURLが正しいかを確認してください。よくあるミス:

  • canonical自体が未設定(ECプラットフォームのデフォルトで抜けているケースあり)
  • パラメータ付きURL(?color=red&size=M)にcanonicalがない
  • httpとhttps、wwwありなしが混在
  • canonicalとsitemap.xmlに記載されたURLが不一致

P0 XMLサイトマップの品質

優先度:最高

サイトマップに含まれるURLが「本当にインデックスさせたいページだけか」を確認してください。

  • フィルタリング・ソート結果のURL(?sort=price&page=3)を除外
  • 在庫切れで販売終了した商品ページの扱いを決定(301リダイレクト or noindex)
  • lastmodを正確に更新(実際の更新日と一致させる)
  • サイトマップのURLとcanonicalのURLが一致していること

P1 ファセットナビゲーションの制御

優先度:高

色・サイズ・価格帯などの絞り込みフィルタが生成するURLは、対策しないと数千〜数万の重複ページを生み出します。

対策の基本は「canonicalで代表URLに正規化」「重要度の低いフィルタ組み合わせはnoindex」の2つです。Google Search Console の「ページのインデックス登録」レポートで、「重複しています - ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」の件数を定期的に監視してください。

P1 robots.txtの適切な設定

優先度:高

ECサイトには、検索エンジンにクロールさせる必要のないページが数多く存在します。robots.txtで以下のパスをブロックし、クロール予算を重要なページに集中させてください。

  • カート・購入手続きページ(/cart//checkout/
  • マイページ・ログインページ(/my-account//login/
  • 内部検索結果ページ(/search?q=
  • プレビュー・印刷用ページ

ただしrobots.txtはあくまで「クロール制御」であり、インデックス制御にはnoindexメタタグを使います。両者の役割を混同しないよう注意してください。

P2 hreflang(多言語・多地域対応)

優先度:中

越境ECや多言語展開をしている場合、hreflangタグで各言語版ページを相互に参照させる必要があります。設定のポイント:

  • 各ページが他の言語版を双方向で参照していること(A→BかつB→A)
  • 自己参照のhreflangも含めること(Google推奨)
  • x-defaultで言語が一致しないユーザー向けのデフォルトページを指定

3. ページ内SEO

タイトルタグやメタディスクリプションは基本中の基本ですが、ECサイトでは商品数が多いがゆえに「テンプレート的な記述」になりがちです。

P0 titleタグ・meta descriptionの個別最適化

優先度:最高

商品ページのtitleが「商品名 | ストア名」だけになっていませんか? 検索結果でクリックされるためには、ユーザーが求める情報を含める必要があります。

  • titleの推奨形式:「商品名 + 主要属性 + ブランド名」(60文字以内)
  • meta descriptionに含めるべき情報:価格帯、送料無料、限定、レビュー数など購買判断に影響するUSP(155文字以内)
  • カテゴリページも同様に、そのカテゴリ固有の訴求を含める

P1 画像のalt属性とファイル名

優先度:高

ECサイトにとってGoogle画像検索は重要な流入経路です。にもかかわらず、alt=""(空)や「商品画像」という一律テキストが設定されているケースが非常に多く見られます。

  • メイン画像:「ブランド名 + 商品名 + 型番」
  • サブ画像:「ブランド名 + 商品名 + アングル/色」(例:「◯◯ 背面」)
  • ファイル名も brand-model-color.jpg の形式に(IMG_0123.jpg は避ける)
  • 装飾画像(背景パターンや区切り線)のみ alt="" とする

P1 画像フォーマットの最適化(WebP / AVIF)

優先度:高

2026年現在、主要ブラウザはWebPとAVIFの両方に対応しています。JPEG/PNGからWebPに変換するだけで、画質を維持しながらファイルサイズを25〜35%削減できます。

  • <picture>要素でavifwebpjpgのフォールバックチェーンを実装
  • ECプラットフォームの自動変換機能を確認(Shopifyは自動でWebP配信、MakeShopは手動対応が必要な場合あり)
  • LCPスコアの改善に直結するため、メイン商品画像の最適化を優先

P1 見出し構造(H1-H3)の適正化

優先度:高

商品ページのH1は商品名に設定するのが基本です。しかし実際には、ロゴやサイト名がH1になっていたり、H1が複数存在したりするケースがあります。

見出し構造はH1→H2→H3の順番で階層的に使い、H2には「商品特徴」「スペック」「レビュー」などのセクション名を設定します。

4. 内部リンクとナビゲーション

内部リンクの設計は、クローラーがサイトを効率的に巡回するための骨格です。同時に、ユーザーの回遊率にも直結します。

P1 3クリック以内ルール

優先度:高

重要な商品ページがトップページから3クリック以内で到達できるか確認してください。階層が深すぎると、クローラーの到達頻度が下がり、インデックスが遅れます。

特に「新着商品」「セール商品」「人気商品」への導線は、トップページやカテゴリページから直接リンクすることが重要です。

P1 関連商品・クロスセルリンク

優先度:高

商品ページ下部の「関連商品」や「この商品を見た人はこちらも購入」リンクは、SEOとCVRの両方に効果があります。

  • アンカーテキストに商品名を含める(「こちら」「詳しくはこちら」は避ける)
  • 関連性の高い商品を優先表示
  • リンク切れ(404)を定期チェック(Google Search Consoleの「ページのインデックス登録」で確認可能)

P2 モバイルナビゲーションの最適化

優先度:中

ECサイトのトラフィックは60〜70%がモバイル経由です(経産省「令和6年度EC市場調査」で物販系BtoCの61.7%)。ハンバーガーメニュー内に埋もれたカテゴリは、クローラーから見ても優先度が下がる可能性があります。

主要カテゴリはモバイルでも常時表示(横スクロールタブなど)にすることで、ユーザビリティとクロール効率の両方を改善できます。

5. パフォーマンスとAI検索対応

2026年現在、Core Web Vitalsはランキングシグナルとして定着しています。さらに、AI検索(Google AI Overviews等)の台頭により、構造化された情報の重要性が増しています。

P0 Core Web Vitals(LCP・INP・CLS)

優先度:最高

ECサイトで特に注意すべき指標:

  • LCP(Largest Contentful Paint):商品画像が最大要素になることが多い。2.5秒以内が「Good」の基準です(2026年3月のアップデートで2.0秒に厳格化されたとの報告もあり、今後はさらに高速化が求められる可能性があります)。画像の遅延読み込み(lazy loading)と圧縮が基本対策
  • INP(Interaction to Next Paint):カート追加ボタンの反応速度に直結。200ms以内が目標。重いサードパーティスクリプト(チャット、レコメンドウィジェット等)が原因になることが多い
  • CLS(Cumulative Layout Shift):商品画像やバナーの読み込みでレイアウトがずれる問題。0.1以内が目標。画像にwidth/height属性を明示的に指定することで改善

確認方法

  1. PageSpeed Insightsで商品ページを計測
  2. Chrome DevToolsの「Performance」パネルで実機計測
  3. PagePulseの「Performance」カテゴリで画像サイズ・lazy loading・インラインCSSを自動チェック

P1 OGP(Open Graph Protocol)の完全設定

優先度:高

SNSでのシェア時にサムネイルが表示されないと、CTRが著しく低下します。全商品ページに以下のmetaタグが設定されていることを確認してください。

  • og:title — 商品名
  • og:description — 商品の特徴(155文字以内)
  • og:image — 商品画像(推奨サイズ:1200×630px)
  • og:url — canonical URLと一致させる
  • twitter:cardsummary_large_imageを推奨

P2 AI検索(LLMO)への備え

優先度:中

Google AI OverviewsやPerplexity等のAI検索サービスは、構造化されたコンテンツを情報源として優先的に引用する傾向があります。ECサイトとしての基本対策:

  • 商品ページにFAQセクションを設置し、購買前の疑問(送料・返品・保証)に明確に回答
  • スペック情報をテーブル形式で整理(AIが抽出しやすい構造)
  • 「〇〇の選び方」「〇〇 vs △△ 比較」など、AI検索クエリに対応する買い物ガイド記事を作成
  • 上記すべてにschema.orgの構造化データを適用

PagePulseの「AI最適化(LLMO)」カテゴリでは、これらの対応状況を自動でスコアリングしています。

まとめ:優先順位をつけて改善する

18項目すべてを完璧にする必要はありません。まずはP0の5項目から確認してください:

  1. Product構造化データ — リッチリザルト表示の基盤
  2. canonicalタグ — 重複コンテンツの正規化
  3. XMLサイトマップ — クロール効率の最大化
  4. title / meta description — CTRの直接的な改善
  5. Core Web Vitals — ランキングシグナル+ユーザー体験

この5つを押さえるだけで、技術的SEOの基盤は大きく改善します。

ECサイトのSEOで見落としがちなのは、一度設定すれば終わりではないという点です。商品の追加・終売、プラットフォームのアップデート、検索アルゴリズムの変化に合わせて、四半期に一度はチェックリストを回すことをお勧めします。

PagePulseは、この記事で紹介したチェック項目の多くをワンクリックで自動チェックします。手作業で確認する前に、まずサイトの現状を数値で把握してみてください。