PageSpeed Insightsは「パフォーマンス特化ツール」
PageSpeed Insights(PSI)は、Googleが提供するWebページのパフォーマンス測定ツールです。Core Web Vitals(LCP・INP・CLS)を中心に、ページの表示速度と操作性を数値化してくれます。
しかし、PSIが教えてくれるのはサイト品質の1/5以下です。
PSIが見ない5つの領域
盲点1 SEO技術基盤
PSIのスコープ外PSIは以下の項目をチェックしません:
- titleタグの長さや重複
- meta descriptionの設定
- canonicalの正確性
- hreflangの設定
- robots.txtのブロック状況
- 内部リンク構造
これらは検索順位に直結する要素ですが、PSIのスコアには一切反映されません。「PSIで90点だからSEOは大丈夫」は完全な誤解です。
盲点2 構造化データの品質
PSIのスコープ外PSIは構造化データ(JSON-LD)の存在も内容もチェックしません。Product構造化データの必須プロパティが欠けていてリッチリザルトが表示されていなくても、PSIのスコアは100点を出すことがあります。
盲点3 アクセシビリティの詳細
部分的にしか見ていないPSI(Lighthouse)にはアクセシビリティスコアがありますが、これはWCAGの全項目をカバーしているわけではありません。Lighthouseが自動検出できるのは、WCAG基準の約30%と言われています。
特に以下はLighthouseでは検出しにくい項目です:
- キーボードナビゲーションの実際の操作性
- フォーカストラップの適切性
- 動的コンテンツ(モーダル・カルーセル)のアクセシビリティ
盲点4 OGPとSNSシェア最適化
PSIのスコープ外og:imageのサイズ、Twitter Cardの設定、og:site_nameの有無など、SNSでの表示品質に関わる項目はPSIのスコープ外です。
盲点5 セキュリティヘッダー
PSIのスコープ外CSP(Content-Security-Policy)、HSTS(Strict-Transport-Security)、X-Frame-Options等のセキュリティヘッダーの設定状況もPSIでは確認できません。
ラボデータとフィールドデータの違い
PSIの結果には「ラボデータ」と「フィールドデータ(CrUX)」の2種類があります。この違いを理解していないと、スコアの解釈を誤ります。
ラボデータ(Lab Data)
- Googleのサーバーで、標準化された環境(固定回線速度、固定デバイス性能)で測定
- 再現性が高いが、実際のユーザー環境を反映しない
- 新しいページでも即座に取得可能
フィールドデータ(Field Data / CrUX)
- 実際のChromeユーザーの過去28日間のデータを集計
- ユーザーの実環境(モバイル回線、低スペック端末)を反映
- 十分なトラフィックがないと表示されない
診断ツールの最適な使い分け
| ツール | 得意領域 | 限界 |
|--------|---------|------|
| PageSpeed Insights | Core Web Vitals、パフォーマンス改善提案 | SEO・構造化データは対象外 |
| Google Search Console | インデックス状態、検索クエリ、CWVフィールドデータ | リアルタイム性が低い(反映に数日) |
| リッチリザルトテスト | 構造化データの検証 | パフォーマンスは対象外 |
| WAVE | アクセシビリティ詳細 | パフォーマンス・SEOは対象外 |
| Chrome拡張(総合型) | 全領域を1回で同時チェック | ラボデータのみ |
理想のサイト診断ワークフロー
- 日常チェック(週次): Chrome拡張で5領域を一括スキャン → 新たな問題がないか確認
- 詳細分析(月次): PSIでパフォーマンス改善ポイントを特定 → GSCでインデックス状況を確認
- リリース前チェック: 構造化データテスト + アクセシビリティチェック + OGP確認
- 定点観測(四半期): GSCのフィールドデータでCWVの推移を確認
まとめ
PageSpeed Insightsは優秀なツールですが、「パフォーマンス」という1つの領域に特化しています。サイト品質を総合的に把握するには、SEO・構造化データ・アクセシビリティ・OGP・セキュリティを含む5領域の同時診断が必要です。
PagePulseは、上記5領域をワンクリックで同時にチェックするChrome拡張です。PSIでは見えない問題も含めて、あなたのサイトの総合スコアを瞬時に表示します。